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シティポップ ブーム
1970年代後半~1980年代にかけて、[シティポップ]というジャンルの音楽が流行っていました。
私もはっきりとした定義はわからないのですが、私なりに解釈すると、その後のニューミュージックブームの先駆けで、曲調や歌詞が都会的なイメージの曲(やアーティスト)といったところでしょうか。まぁ、だいぶフワッとしてるんですけどね。(笑)
そのシティポップが、今また流行っているそうです。それも、日本だけでなく全世界で。
当時、私はまだ10代前半で、まだちょっとシティポップを聴くには早い年代でした。そもそも当時はシティポップという言葉もよくわかっていなかった気がします。ただ、曲はほぼ知っていたし、おぼろげながらも歌えました。その中で一曲、強烈に印象に残っている曲があります。
それは、EPOの『ダウンタウン』です。オリジナルはシュガーベイブというグループの曲なんですが、私はEPOの方が印象に残っています。というか、当時はEPOの曲だと思っていました。
なぜ印象に残っているかというと、そう!あの伝説のバラエティ『オレたちひょうきん族』のエンディング曲だったのです。当時は“土8戦争”(※1)なんていう言葉もあって、私はひょうきん族派だったのですが、さんざん笑った後にあのイントロが流れてくると急に物悲しい気分になるんですよ。「あー、終わっちゃったなぁ」って。当時はバラエティのエンディングなんて、多くはその場のノリで適当に楽しい音楽で終わっていました。全員集合だってエンディングは『ババンババンバンバン 歯磨けよー』でしたしね。そんな中、ひょうきん族は楽しいところでパッと終わって、ちょっと淋しいチックな曲とエンディング画面(ひょうきんの場合はハイライトのスロー)が流れるわけですよ。「わぁ、大人!」って思いましたね。(笑)
そして現在。私もあれから様ざまな音楽を聴いてきました。シティポップなんていう言葉もすっかり忘れていた頃に、世界的なブームが起こりました。私は初めは特に気にもせず「へ~、そうなんだ」って感じだったのですが、最近、YouTubeでハマったバンドがあってプレイリストを聴いていたら何曲かシティポップのカバーが入っていて、その中に『ダウンタウン』があったのです!
「あぁ、懐かしいなぁ」なんて思いながらイントロを聴いた瞬間、一気にあのひょうきん族のエンディングが甦ってきましたね!もちろん、EPOのものではないので雰囲気は違うのですが、イントロの部分は記憶しているものとまったく同じだったので鮮明に映像が浮かんできました。何だろう、心の原風景とでも言うんですかね。。親に「こんなくだらないもの、見るのやめなさい!」なんて言われながらも、弟と楽しみに見ていた小5の夏。(夏かどうかは知らんけど笑)その頃の記憶が一気に甦ってきましたね!
ちなみに、今聴いてもやっぱりちょっと物悲しい気分になりました。(笑)
思い出はさておき、今改めて聴いてみると、シティポップって詞ももちろん良いのですが、全般的に私は曲が良いですね。何て言うんだろう、ちょっとアンニュイな感じ?スローなテンポなのにノれる感じ?とにかく聴いてて気持ち良いんですよ。世界中で流行っている理由も、何となくわかる気がします。
当時は知らなかった曲で、今初めて聴いて「あ、これ良いな」と思った曲もありました。松原みきの『真夜中のドア』です。
これねぇ、、当時ももしかしたら聴いたことはあったのかもしれませんが、これは10代前半の私には絶対に刺さらない曲ですね!(笑)この歳になって良さがわかった曲だと思います。あの、サビの「あの季節が~今目の前~」の部分の高音が気持ち良いですよね。詞も曲も“今の私好み”です。(笑)
音楽も食べ物と同じように、歳を重ねることによって好みが変わってきますよね。若い頃には「こんなの地味だな」なんて言って聴かなかったものも、今になって聴いてみるとそのシブさやカッコ良さがわかることがあります。そこが音楽のすごいところですよね。今こうして再びシティポップブームが起こっているのも、時代も世代も超えて人の心に響く何かがあるからこそだと思います。
思い出の曲は人それぞれですが、世代を超えてその曲が同じというのは音楽の持つ不思議な力だと思います。
関連項目
80年代
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